働き始めの頃は、決まって議事録作成の仕事をお願いされますよね。
「仕事はなんでも積極的にやる!」という人もいれば、「議事録なんて、めんどくせーなー…。」と思う人もいるでしょう。
議事録は雑用の一つに思われがちですが、決してそうではありません。
上司や先輩社員から「次の会議、議事取っといて」と一言お願いされて、仕方なしに議事録を担当する人も多いはず。
何も考えずに議事を取っていては「単なる雑用」になってしまいますが、実は色々とメリットがあるのです。
今回は議事録を作るメリットや書き方、意識したいことを紹介します。
新入社員の人はもちろん、新しい業務を始める人はぜひ積極的に議事録を担当すると良いでしょう。
※本記事では「議事を取る=会議内容をメモする」、「議事録を作成する=清書する」と言う意味で記載しています。
議事録作成で効率的に仕事を知ろう
会議では、基本的に重要な内容の検討・報告が実施されます。
その会議内容を文書にアウトプットしたものが議事録になります。
会話をしっかりメモできるタイピングの速度がないと、会話内容の記載漏れが起きてしまいます。
また、知らない言葉が多くあると、文章に違和感が出ますので質の高い議事録はできません。
議事録作成ではそれぞれの能力を向上させることができるので、短時間で質の高い議事録を作成できるようになる頃には「効率的に仕事内容を吸収できている状態」になっていることでしょう。
議事録のメリット
タイピングが早くなる
会話内容を漏らさないために、パソコンのタイピング(文字入力)がある程度早くないといけません。
新社会人だと、あまりタイピングに慣れていないという人もきっといるでしょう。
ただ、タイピングは才能うんぬんではなく、訓練すれば誰でも早くなれるものです。
そこで、その訓練に適しているのが「会議」です。
仕事でタイピングの速度で困るタイミングは「議事を取る」ときだけと言っても過言ではないでしょう。
しかし、タイピングが早ければ早いほど、仕事に余裕ができるのは間違いありません。
タイピングの訓練にもなる「議事を取る」ことをやってみましょう。
分からない言葉が明確になる
議事を取っていると、始めは必ず「知らない言葉」が出てきます。
会議中に「それってどういう意味ですか?」という質問ができるわけもなく、メモを取っていないと「分からない言葉を忘れてしまう」こともあります。
議事録を担当していれば、分からない言葉も「とりあえず」メモすることになりますので、会議後に調べたり関係者に確認することができます。
そうすることで、仕事の関係者がよく使うキーワードや、知っておくべき専門用語を効率的に学ぶことができるのです。
議事録の書き方
会議情報
実施日時
会議をした日付と、開始・終了時間を記載します。
「この会議って、いつやったやつだっけ?」とならないために、必要な情報になります。
参加者
会議に参加した人、全員の氏名を記載します。
その会議において、重要な役割を担う人が出席しているかどうかを記録しておく必要があります。
会議名
その会議の名称を記載します。
作っている議事録が何の会議のものなのか、しっかり明記しておきましょう。
アジェンダ(議題)
その会議で「何について議論したか」を記載します。
後々、「誰かがこんなこと言ってたと思うんだけど、どの会議だったかなぁ…。」という状況になる可能性があります。
そんなとき、アジェンダが記載されていると細かい議事を確認せずとも、その議事録に記載してあるかどうかアタリがつけられます。
議事
会話内容(発言者情報も)
会話の内容・発言者を記載します。
「記載の細かさ」は正直、現場の文化や人の好みによって変わります。
議事録を重要視しない現場だと、「決定事項と宿題だけ」を記載していればOKというところもあります。
しかし、「あのとき、こんな会話したと思うんだけど、どんな流れでそんな結論になったんだっけ?」と聞かれることがありますので、会話のキャッチボールをしっかり記載しておいた方が無難でしょう。
決定事項
その会議で決まったことをもれなく記載します。
決定事項は特に、後々「これっていつ・誰の意思決定で、こうなったんだっけ?」という場面で必要になります。
宿題
その会議で決まりきらなかったことがあると、「誰かが追加で調べたり、作業したりする」ことになります。
その内容を、宿題として記載します。
もちろんその宿題の担当者も明記するようにしましょう。
意識したいこと
会議にかかった時間以上に時間をかけない
議事録は鮮度が命です。
議事録は基本的に「作成したものを関係者に送付して、承認してもらう」ことで効力を発揮します。
議事録の送付が遅くなればなるほど、関係者の記憶が曖昧になり、「こんなこと言ったっけ?」ということになりかねません。
作業にかける時間の目安としては「会議にかかった時間の半分」、長くても「会議にかかった時間」までに収めましょう。
また、関係者への送付は会議当日にするのが理想的です。
遅くとも翌営業日の午前中に送付するようにしましょう。
議事録の質や書き方は現場に合わせて
殴り書きの議事録で良い現場もあれば、全てのやりとりをしっかり・きっちり記載しないといけない現場もあります。
議事録の質とかかる時間はトレードオフなので、最小限の体力で議事録を作れるように「どのレベルのものが求められているのか」をしっかり把握しておきましょう。
準備を徹底する
会議前に、準備できることはしっかりと準備しましょう。
上述の「議事録の書き方」-「会議情報」は、会議前にわかることなのであらかじめ書いておくと良いでしょう。
また、会議資料を事前に読み込んでおくことで、議論の内容を把握できて、会議中の会話がわかりやすく議事録も取りやすくなることでしょう。
現場で議事録のフォーマットが準備されていればそれを使えば良いのですが、無い場合はあなたの方でフォーマットを作ってしまいましょう。
毎回レイアウトを考えていては時間がかかりますし、そもそも「他の議事録とレイアウトが違う」ことは見る側としてはストレスになります。
第三者が見てもわかるような書きっぷり
会議中はどうしても言葉足らずなものになりがちです。
「あれ」、「それ」など指示語がそのまま書かれている議事録だと、会議に出席していない人が読んだ時に内容を理解できませんよね。
言葉・言い回しの補完をするようにしましょう。
また、文字に起こすと「話の流れが無茶苦茶な発言」があると思いますので、その話の流れがスムーズになるようにしましょう。
チェックリストを作る
議事録作成が完了したら、セルフチェックしてから関係者に送付すると思います。
そのセルフチェックの際に、チェックリストを作っておくと機械的に確認できるのでオススメです。
都度、気になったところだけを修正していると質が安定しません。
自ら気づいた内容や、誰かから指摘された内容をリストアップしておくと、それがチェックリストとして使えることでしょう。
例えば、「です・ます調(もしくはだ・である調)で統一されているか?」、「発言者の記載に漏れがないか?」などの確認事項をチェックリストに列挙すると良いでしょう。
ボイスレコーダーを使おう
会議中に頑張ってメモしていても、「発言者が早口でメモしきれない場合」や「声が小さくてしっかり聞き取れない場合」といった場面が多々あると思います。
議事録を取る担当者として、聞き漏らしはなるべく避けたいところ。
重要な会議であれば尚更です。
そこで会議関係者に許可をもらった上で、録音しておくと良いでしょう。
議事録を取る可能性がある人は、ぜひボイスレコーダーを1台持っておくことをオススメします。
スマートフォンの録音機能でも録音できますが、「音質」や「巻き戻し・早送り機能」はボイスレコーダーの方が優秀なので、そこでストレスを感じたくない人はボイスレコーダーを選択すると良いでしょう。
ただし、ボイスレコーダーの録音は「なるべく聞かない」ようにしましょう。
というのも、録音があると安心してしまい、「会議中にメモをしっかり取るぞ!」という意欲が下がってしまう可能性があるからです。
録音は最終手段だと考えて、会議中になるべくメモできるようにしましょう。
会議では議事を取ろう
あなたは議事録担当でなくても、議事を取っていますか?
せっかく会議に出ているのですから、出席している時間を最大限活用したいところです。
何も分からず参加するように言われて、「会議の会話内容も理解できないまま時間が過ぎている」ことはありませんか?
会議内の会話内容がわからない人は、議事録担当でなくとも積極的に議事は取っておきましょう。
また、会議内容が分かっている人でも、その会議内で決まったことや宿題は最低限メモするようにしましょう。